5歳の大冒険

私の両親は共働きで母は刺繍の内職の腕が認められ、茅ヶ崎の支部(とても小さいが)で

刺繍内職の下準備や仕上がりにチェック、修正をしていました。

ほかに数名の女性の方が働いていましたがみんな母より年上でお子さんも大きく

私は母に連れられ、よくそ職場についていきました。

みなさんにもかわいがられて絵を描いたり、庭で遊んだりして過ごしていました。

私は電車(当時は気動車)で何回も同じ路線を通っていたのと

自転車で父によく市内を走っていたせいもあって、とうとう家と職場までの道を

頭の中でつなげてしまいました。

 

私はある日、家でおばあちゃんと留守番の日にこっそと家を抜け出し、補助輪のまだ取れていない自転車で自宅を後にしました。

 

線路沿いを行けるところまで行って途中、行き止まりのところを回避して交通量の多い県道を走り、国道を越え、大踏切をわたり、意気揚々と職場のみんなを驚かそうと玄関を入ったら・・・

唖然とした顔をされ、「どうやってきたの?」、

シャツ一枚にサンダルの格好なので電車で来たとは思えないとおもったらしく

私は元気よく「自転車で来たんんだよ」

しばし沈黙、母からビンタ一発、その後どえらく怒られたのを覚えています

(自分が親になってみれば至極当然だと思いましたが)

 

本当は自分は褒めてもらえると思っていたのですが・・・

その日は電車で帰りましたが、その自転車はいつしか自分の家に戻っていました。

未だに真相はわかっていません(もう忘れたらしい)。

 

そんな当時5歳の大冒険でした。